憲法
統治機構/選挙制度(一票の較差・議員定数訴訟) 重要度B
我が国の最高裁は、各選挙区における議員一人当たりの有権者数の最大較差が3倍を上回った1990年の衆議院議員総選挙に関し、憲法が保障する『法の下の平等』に違反し違憲であると判断した上で、当該選挙のうち一部選挙区における選挙を無効と判示した。
答え:×(誤り)
解説
1990(平成2)年実施の衆議院議員選挙について、最大格差1対3.18の状況下で行われた当該選挙時の定数配分規定の合憲性につき、最高裁判所は憲法違反との判断を下しておらず、一部選挙区の選挙を無効ともしていないため、本肢は誤りである。具体的には、最大格差1対3.18に達する本件定数配分規定について、「憲法の選挙権の平等の要求に反する」と認めつつ、「憲法上要求される合理的期間内における是正がされなかった」とまではいえないと判断し(合理的期間の法理)、「憲法に違反しない」と判示している(最大判平5.1.20)。もっとも、合理的期間内に是正がなされず憲法違反に至るケースでは、最高裁判所は、定数配分規定はその性質上不可分であるとの立場から、不平等の生じている一部選挙区の選挙にとどまらず、選挙全体に違憲の瑕疵が及ぶとする一方、そうした場合であっても、事情判決の法理により、当該選挙については違法の宣言をするのみで無効とはしない取扱いをしている(最大判昭60.7.17等)。 最大判平5.1.20 / 最大判昭60.7.17 / H19-48-オ / H16-3-4 / H26-5-2