行政書士 商法・会社法の出題傾向と勉強法|捨て問の見極め方も解説
商法・会社法は、行政書士試験のなかでも「どこまで手を広げるか」の判断が合否の効率を左右する科目です。範囲が膨大なわりに出題数が少なく、満点を狙うとコスパが悪くなります。本記事では配点の位置づけから捨て問の見極め方まで、限られた時間で必要点を確保する戦略を整理します。
配点と出題数の位置づけ
商法・会社法は5肢択一式で例年5問・各4点で合計20点が出題されます。内訳は商法(総則・商行為)から1問程度、残りの約4問が会社法という構成が一般的です。法令科目全体244点のなかでは比重が小さく、民法・行政法に比べると優先度は下がります。
重要なのは、商法・会社法は「合否を分ける科目」ではなく「取りこぼしを減らす科目」だという位置づけです。ここで満点を狙うより、民法・行政法を固めるほうが総得点は伸びます。
頻出分野と優先順位
出題範囲は広いものの、得点しやすいテーマは絞られています。学習は次の優先順位で進めると効率的です。
最優先(必ず押さえる)
- 設立:発起設立・募集設立、定款の絶対的記載事項、出資の履行
- 株式:株式の譲渡制限、自己株式、株主名簿
- 機関:株主総会・取締役・取締役会・監査役の権限と決議要件
次点(時間があれば)
- 商法総則・商行為(商人・商号・商業使用人)
- 持分会社、設立無効・募集株式の発行
とくに機関設計と株主総会の決議要件は繰り返し問われる頻出中の頻出です。普通決議・特別決議・特殊決議の区別は確実に得点源にしましょう。
捨て問の考え方
商法・会社法では「捨てる勇気」が戦略になります。組織再編(合併・会社分割・株式交換)、社債、計算書類など細かい論点は出題頻度・難易度ともにコスパが低く、深入りは禁物です。これらは過去問で問われた基本知識だけにとどめ、未出の細部は思い切って捨てましょう。
目標は5問中2〜3問の正解。全問正解は狙わず、頻出テーマで確実に拾う姿勢が現実的です。
過去問の使い方
新しい論点に手を広げる前に、まず過去問で問われた範囲を完璧にするのが鉄則です。商法・会社法は同じ論点・似た角度で繰り返し出題される傾向が強いため、過去10年分の択一を解き、選択肢の一つひとつがなぜ正誤になるのかを条文ベースで説明できる状態を目指します。テキストの通読は最小限にとどめ、過去問起点で必要な知識だけを逆引きで補うのが時短のコツです。