民法 不法行為(契約以外の債権発生原因) 重要度B

甲は自動車を運転中に、突然の急ハンドル操作を行ったことにより、その自動車を歩行者乙に衝突させ、乙を路上に転倒させてしまった。甲がこのような急ハンドル操作をしたのは、付近で発生した土砂崩れによって近隣の建物が崩れ落ちてきたため、これを回避するためにやむを得ず行ったものであった。この場合、甲の当該行為は緊急避難に該当し、違法性は阻却されることとなる。

答え:×(誤り)
解説
他人の物に起因する急迫の危難を回避する目的でその物を損傷したときは、違法性が阻却され、不法行為は成立しない(民法720条2項:緊急避難)。緊急避難が認められるには、「急迫の危難」が「他人の物」から発生し、かつ加害行為がその「物」への損傷であることが必要となる。よって、崖崩れによって近隣の住宅が倒壊してきたのを避けるため、歩行者Bに負傷を負わせたケースでは、加害行為が当該「物」に向けられたものではないため、緊急避難は成立せず、違法性が肯定される。
民法720条2項 / R4-34-4
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