民法
債権/賃貸借 重要度A
甲は、乙が所有する土地を賃借し、自己の名義で建物を建築して、内縁関係にある妻丙とともに小売業を営んでおり、乙もこの事実を認識していた。その後、甲が死亡したため、甲の相続人は、乙の承諾を得ないまま、当該建物および土地賃借権を丙に譲り渡した。このとき、賃貸人乙は、当該土地賃貸借契約の解除をすることができない。
答え:○(正しい)
解説
民法612条2項によれば、賃借権を無断で譲渡することは賃貸借契約の解除原因とされるが、当該行為について賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情が存在する場合には、賃貸人による契約解除は認められない(最判昭28.9.25)。この点、Aと共同で飲食業を営んできた内縁の妻Cに対し、Aの相続人が賃借権を譲り渡したという事案については、賃貸人Bの承諾を欠いていたとしても、Bに対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるものと評価できる(最判昭39.6.30)。よって、Bが土地の賃貸借契約を解除することはできない。 民法612条2項 / 最判昭28.9.25 / 最判昭39.6.30 / H10-30-1 / 記H20-45