民法
債権(契約の成立・変更を加えた承諾) 重要度A
甲は、乙から中古バイクを購入する交渉を進めていたところ、乙に対し、承諾の意思表示について「9月末日まで」と期間を定めたうえで、「分割払いで購入したい」旨の申込みの意思表示を書面で郵送した。これに対して乙が、「売却に応じてもよいが、代金については引渡しと引換えに一括で支払ってほしい」と9月末日までに回答してきた場合、乙が売ると述べた以上、契約自体は成立し、その内容は代金一括払いの契約として成立したことになる。
答え:×(誤り)
解説
Bが行った「一括払いでの売却」という承諾について、Aがこれを受け入れない限り、代金一括払いの契約は成立しないので、本肢は誤りである。つまり、承諾をした者が申込みに条件を加え、あるいはその他の変更を加えて承諾をした場合、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなされる(民法528条)。これは、申込みを受けた者が条件や変更を付した承諾を無効と扱うよりも、もとの申込みへの拒絶と新規の申込みと解するほうが、取引の実態に適合するからである。本肢においては、Aによる「分割払いでの購入」の申込みに対し、Bは「一括払いでの売却」という承諾を行っており、このBの承諾は、Aの申込みの拒絶とAに対する新たな申込みとみなされるため、その新たな申込みについて、Aが承諾しない限り、一括払いの売買契約は成立しないということになる。 民法528条 / H19-33-エ