民法
債権総論 重要度B
甲が乙に対して自己所有の土地を売却する契約を締結したものの、乙が登記を備える前に、甲が乙への譲渡を知らない丙に当該土地を二重に売却して登記を移転してしまった場合において、乙が甲に対し履行不能を理由とする損害賠償を請求する際は、価格が騰貴しつつあるという特別の事情が存在する限り、転売や処分の可能性がなかったとしても、騰貴前に処分したであろうと予想されない限度で、騰貴後の現在の価格を特別損害として請求することが認められる。
答え:○(正しい)
解説
本肢の場合において、Bが請求できる金額は、原則として処分時の時価によるものとされるが、目的物の価額が騰貴している途中であるという特別の事情が存在し、加えて債務者Aが履行を不能とした時点でその特別事情について知り又は知りえた場合には、騰貴前に債権者Bが他に処分したであろうと認められる事情がない限り、債権者Bは現在の騰貴した時価を基準とした損害賠償を求めることができ(最判昭37.11.16)、こうした考え方は、買主が当該目的物を第三者に転売して利益を得る目的ではなく自己使用の目的で締結した不動産売買契約の場面においても、債務不履行さえなければ騰貴後の価格を有する不動産を現実に保持できていたはずであるから、同様に当てはまる(最判昭47.4.20)。 最判昭37.11.16 / 最判昭47.4.20 / H20-32-4