民法 物権(即時取得・盗品遺失物の特則・代価弁償) 重要度B

古美術商の甲は、自宅の倉庫に保管していた自己所有の掛軸が盗難被害に遭った。後日、乙が経営する私設ギャラリーを訪れたところ、その盗まれた掛軸が展示されているのを目にした。乙は、当該掛軸を競売で落札して購入しており、乙には即時取得が成立している。甲は、盗難の日から2年以内であれば、保管に要した費用を乙に支払うことで、当該掛軸の引渡しを請求することができる。

答え:×(誤り)
解説
本肢では、AがBに対して弁償すべきは「保管に要した費用」ではなく、「オークションで落札した代価」であるから、誤りである。つまり、盗品又は遺失物を占有者が、競売、公の市場、もしくは同種の物を販売する商人から善意で買い受けた場合には、被害者又は遺失者がその物を回復するには、占有者が支払った代価を弁償しなければならない(民法194条)。代価の支払は原則として要しないものの(193条)、即時取得者が盗品・遺失物を競売又は商人から買い受けたケースでは、即時取得者保護の観点から、原権利者が回復請求をする際に、即時取得者の支払った代価の弁償を求めることとされたのである。
民法193条 / 民法194条 / H19-29-4
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