民法
無権代理と相続 重要度A
甲の長男乙が甲に無断で甲の代理人と称して丙に甲所有の建物を売却した。乙が死亡し、甲の妻丁が甲とともにこれを共同相続した後、さらに甲も死亡して丁が相続することとなった場合、丁は本人としての資格で当該無権代理行為の追認を拒むことはできない。
答え:○(正しい)
解説
最判昭63.3.1は、無権代理人を本人と共に相続した者が、その後さらに本人をも相続するに至ったときは、当該相続人は本人の立場で無権代理行為の追認を拒むことはできないと判示している。これは、相続によって無権代理人の地位を包括的に承継した結果、無権代理人が本人を相続した場合と同様の立場に置かれることになるからである。よって、無権代理人BがAの妻Dと本人Aとによって共同相続された後、さらにAが死亡してDがこれを相続したケースでは、Dは本人の資格をもって無権代理行為の追認を拒絶することはできない。 最判昭63.3.1 / H28-28-2